【MTG】がんばれ(ヘイト)ベアーズ
2014年6月26日 TCG全般 コメント (4)今回は、私がモダンでずっと使用しているデッキ・緑白ヘイトベアーについてお話することにします。ただ、私は高度な知識も技術も持ち合わせていませんから、ここではヘイトベアーのかなり初歩的な事項とデッキの魅力、楽しさをお伝えできればと思います。
前のエントリーとテーマがやや被り気味ですが、ご容赦いただければ幸いです。
----------------------------
モダンの日常的な風景といえば、どんなものがあるでしょうか。
フェッチランドからもたらされる色取り取りの土地、1マナや2マナで唱えられる恐るべき呪文(《稲妻》や《流刑への道》は本当に凄い)、十分に残ったライフを一瞬で奪い去っていくコンボ……他にも、皆さんが想像されるようにたくさんあると思います。
これらをただ、指を咥えて見ているだけなのは嫌だ、乗り越えたい。
そんな声に応えられるデッキのひとつと信じて、私が愛用しているのがこのデッキです。
緑白ヘイトベアー(あるいは緑白ブリンク)サンプル
クリーチャー:30
4:《貴族の教主/Noble Hierarch》
4:《レオニンの裁き人/Leonin Arbiter》
3:《漁る軟泥/Scavenging Ooze》
3:《ちらつき鬼火/Flickerwisp》
3:《エイヴンの思考検閲者/Aven Mindcensor》
2:《オレスコスの王、ブリマーズ/Brimaz, King of Oreskos》
3:《刃の接合者/Blade Splicer》
4:《修復の天使/Restoration Angel》
3:《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》
1:《静寂の守り手、リンヴァーラ/Linvala, Keeper of Silence》
呪文:8
4:《流刑への道/Path to Exile》
4:《霊気の薬瓶/AEther Vial》
土地:22
2:《平地/Plains》
1:《森/Forest》
2:《ガヴォニーの居住区/Gavony Township》
4:《寺院の庭/Temple Garden》
4:《地平線の梢/Horizon Canopy》
4:《幽霊街/Ghost Quarter》
4:《剃刀境の茂み/Razorverge Thicket》
1:《永岩城/Eiganjo Castle》
サイドボード:15
1:《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》
3:《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader》
2:《ガドック・ティーグ/Gaddock Teeg》
1:《四肢切断/Dismember》
2:《忍び寄る腐食/Creeping Corrosion》
2:《石のような静寂/Stony Silence》
2:《避難所の印/Mark of Asylum》
2:《窒息/Choke》
以前紹介した緑白ヘイトベアー(http://yamachong.diarynote.jp/201402172315507453/)とは、デッキ名こそ同じですが、中身がそこそこ変わっています。
まずは以下に、ヘイトベアーの得意とするところを述べます。
◆マナの否定
ヘイトベアーが得意とする戦略のひとつが、マナ否定です。
・《レオニンの裁き人》でフェッチランドからの土地サーチにマナを要求する
・《レオニンの裁き人》で《幽霊街》のデメリット無視
・《エイヴンの思考検閲者》でフェッチランドからの土地サーチの妨害
・《スレイベンの守護者、サリア》の能力
・《ちらつき鬼火》で相手土地をブリンク
《レオニンの裁き人》によりフェッチランドの起動に2マナ以上掛かるというのは、相手にとっては中々の重荷になり得ます。
2マナ用意出来ずにサーチ出来ない……というのがベストなパターンですが、サーチするために呪文を唱えるために使うはずだったマナを費やさせる、ということも出来るのが強烈です。
また、《流刑への道》をデメリットゼロの謎の最強除去にすることも可能です。
ヘイトベアーが3マナを使わずにターンを渡してきたら要注意。《エイヴンの思考検閲者》を構えている可能性があります。
「《流刑への道》でも構えているのかな?とりあえず、フェッチでも切っとくかねー」と普段そうしているように、その土地を墓地へ送ろうとしたその刹那、彼は瞬速でやってきます。
ライブラリーの上から4枚……そこにお目当てのカードを見つけられたら良いのですが。
《スレイベンの守護者、サリア》の嫌らしさは、既に皆様の知るところだと思います。こちらはクリーチャー主体のデッキなので、このカードを有効的に使用できます。
《ちらつき鬼火》でのマナ縛りは、私の浅い経験の上での話になりますが、知名度としては上記の2枚の畜生じみた働きに比べるとまだ知られていない印象があります。
鬼火のブリンク能力は、「次の終了ステップの開始時に、能力で対象に取ったパーマネントを、オーナーのコントロール下で戦場に戻す。」というものです。故に、自分の終了ステップ中に、何らかの方法で鬼火を戦場に出し、相手の土地を対象に取ることで、相手を次のメインステップ中1マナ欠いた状態に仕立て上げることが出来ます。
終了ステップに出す方法としては、
1.自分の終了ステップ中に《霊気の薬瓶》から《ちらつき鬼火》を出す。
2.自分の終了ステップ中に既に場に出ている《ちらつき鬼火》を《修復の天使》でブリンク
3.《ちらつき鬼火》を通常プレイ、既に場に出ている別の《ちらつき鬼火》をブリンク
4.《ちらつき鬼火》を通常プレイ、既に場に出ている《修復の天使》をブリンク。その後、場に帰ってきた天使で鬼火をブリンク
という4つが挙げられます。もちろん、土地だけでなく厄介な他のパーマネント相手にも応用出来るテクニックなので、常に狙えるかどうかを意識しながら動きたいところです。
相手のマナの伸びを阻害して、思い通りに事を運ばせない……これがヘイトベアーのひとつの戦い方です。
◆サーチの妨害
前項とかなり被る内容ですが……。
フェッチランド以外にも、「あなたのライブラリーからカードをX枚探し」という記述のあるカードが、モダンには数多あります。スケープシフトを筆頭とするサーチカードに勝ち手段を頼むデッキに対して、ヘイトベアーは無類の強さを誇ります。
キーとなるのは、やはり《レオニンの裁き人》と《エイヴンの思考検閲者》のコンビです。彼らを守りさえすれば悠々勝利出来る機会が、モダンでは沢山やって来ます。「ヘイトベアー最高や!」と思える瞬間のひとつです。
《深遠の覗き見》や《古きものの活性》など、「あなたのライブラリーの一番上からX枚のカードを見る」と記述されているカードに対しては干渉出来ないことにご注意を(探しているようにしか見えないけれども!)。
◆飛行ビート
今回のリストにおける、《萎れ葉のしもべ》などを採用していた頃のヘイトベアーとの最大の相違点は、優秀な飛行クリーチャーの有無にあります。
旧ヘイトベアーは、パワーこそ高いクリーチャーが揃っていましたが、相手に横に並ばれると攻撃が通し辛くなることがままありました。10/10になった《ロクソドンの強打者》が、相手のトークン軍団を前にニートと化した時には、モニターの前で泣きました。
しかし、そんな悲劇の時代ともおさらばです。《修復の天使》や《ちらつき鬼火》は、そのブリンク能力以上に、飛行という回避能力をもってヘイトベアーに革命をもたらしたと信じています。
瞬速持ちの飛行クリーチャーも多く採用できるので、プレインズウォーカー(特に-2能力を使用した《ヴェールのリリアナ》)を出された返しのターンでそれを対処しやすくなったことも、これまでには無かった強みです。
その他にも、《霊気の薬瓶》で3マナのクリーチャーを連打したりと、他のデッキではあまり味わえない楽しさが、ヘイトベアーにはあります。
一方で、以下のように弱点が少なくないのもヘイトベアーの特徴。それらと巧く付き合っていくことが、使いこなす最大の秘訣です……私はまだまだその域には達していません。
●火力や全体除去にかなり弱い
緑白のアグロなのだから、当たり前といえば当たり前なのですが……あまりに大きすぎるウィークポイントです。
《稲妻》はもちろんですが、タフネスが1の飛行クリーチャーを並べた時に襲い掛かる《電解》ほど恐ろしいものはありません。特にトリコロールを相手にする時は、出すクリーチャーについて吟味しないといけないでしょう。
《修復の天使》や(《霊気の薬瓶》からの)《ちらつき鬼火》で火力を巧く回避していくことも意識したいです。
最近増えて来ている黒緑系の《最後のトロール、スラーン》対策に、青白系コントロールが《神の怒り》を積み始めていることもかなりの向かい風となっています。一度すべて流されると、リカバリーが非常に困難です。
《地平線の梢》のドロー能力が、回復の若干の助けになるかもしれません。
●平時最大パワー3、最大タフネス4
《萎れ葉のしもべ》が恋しくなることがあります。
今回のリストで一番大きなクリーチャーでも、《修復の天使》などの3/4止まり。それより大きなクリーチャー相手に間誤付いてしまいがちなのも、ヘイトベアーの弱みです。
特に、ゲーム中盤(悪い時には序盤)の《タルモゴイフ》を数字で超えられずに負けてしまうことが少なくありません。航空戦力で対抗することになりますが、タルモを扱うデッキは大抵、黒と手を組んでおり……地上はタルモで止めて、空は除去で対処。こうされるともう、お手上げです。
一番の対策は、《流刑への道》ですね。《ちらつき鬼火》も、一時的ながらも除去として有用です。
また、相手の高く厚い壁を越えるために、『賛美』持ちの《貴族の教主》は大きな助けになります。+1/+1は小さい数字に見えますが、必ずや、あなたを窮地から救う場面が現れるでしょう。
じっと耐えながらの《ガヴォニーの居住区》起動は、あなたの頼りないクリーチャー群を頼れる凄いヤツらに変え、《タルモゴイフ》を蹴散らすはずです。諦めずにいきましょう。
●早いデッキに弱い
Zooや親和といった、速攻型のデッキに黒星を重ねてきています。
Zooは、素早くクリーチャーを展開しながらに《稲妻》や《流刑への道》を撃ち込んでくる、恐ろしい相手です。そしてまーた《タルモゴイフ》!難しいですね。
フェッチランドを多用するデッキであること、《聖遺の騎士》の能力を妨害し得ること、また《漁る軟泥》がタルモや騎士のサイズダウンに一役買うこと……このあたりに活路を見出していきたいです。
親和は……メインでは神に祈るところから始めましょう。2本目からが勝負です。
そんな弱点の数々を埋めるのは、やはりサイドボードです。万能色の白を扱えるのは、こういう時に幸運なことだと思えます。
ヘイトベアーで戦うにあたって、サイドボードで補いたいと考えるのは以下のものです。
・火力耐性
・青を含むコントロール対策
・黒緑系対策
・《殴打頭蓋》対策
・親和対策
・墓地対策
・プロテクション(白)を無視できる除去
★火力耐性
《稲妻》や《神々の憤怒》をケア出来るカードは、サイドイン率が高いです。しっかり用意したいところです。
主な候補は、《ブレンタンの炉の世話人》と《避難所の印》です。《流刑への道》で対処されないこと、使い切りでないことから、私は後者を好んで使用しています。ただ前者にも、《ゴブリンの先達》などを止められること、プレイヤーを対象とした火力も防げることに強みがあります。メタゲームによって使い分けるものなのだと思います。
私は使用したことがありませんが、《不屈の随員》も面白いかもしれません。《稲妻》対策としてはかなり重いですが、《神の怒り》も対処出来るのは素晴らしいですね。《霊気の薬瓶》から出せるのが、カウンター呪文っぽくてなおグッド。
★青を含むコントロール対策
これは候補を絞りきるのが難しいですが。
私を含めて、ヘイトベアー使用者の多くが採用しているのが《窒息》です。これを貼り、島タイプを持たない《天界の列柱》などを《幽霊街》で処理していけば、勝利は近いです!
《ガドック・ティーグ》もいい仕事をすることがあります。
《謎めいた命令》や《神の怒り》、よくサイドインされる《殴打頭蓋》を唱えられなく出来るのは魅力です。いかに除去から守るかに懸かっていますが……。
ちなみに、ガドックは只でさえメインからメタりまくっているスケープシフトやトロンにも滅茶苦茶に刺さるカードでもあります。大会以外では、やり過ぎ注意です……。
★黒緑系対策
パッと思いつくのが、《ミラディンの十字軍》です。
黒緑ジャンク相手ならば、《ヴェールのリリアナ》の-2能力にさえ気を付ければ、あとは賛美を受けた十字軍が速やかにゲームを終わらせてくれるはずです。ジャンドとなると、《稲妻》がちょっと怖いですね。入れることに変わりは無いのですけれど。
★《殴打頭蓋》対策
ヘイトベアーを使い始めてから、幾度と無く苦汁を味わわされているカードなので、何かしら対策を入れるようにしています。
このデッキに入れやすいカードとしては、《クァーサルの群れ魔道士》ですね。《殴打頭蓋》は手札に戻る能力も備えているので、巧く不意を突いて割る必要があります。《霊気の薬瓶》がその助けになるかもしれません。賛美持ちの2/2であることも評価を底上げしています。
前述の《ガドック・ティーグ》も対策カードと言えますが、出てしまった後だと対処出来ないのがやはり難点です。
《ちらつき鬼火》で細菌トークンを消すことが出来るのも忘れずにおきたいです。
★親和対策
白でよかった!《石のような静寂》が使える!!
《戦争の報い、禍汰奇》もかなりマッチしています。
緑陣営も負けておらず、《忍び寄る腐食》や《引き裂く突風》といった全体除去を積むことが出来ます。さあ、1本目のお返しをしに行きましょう!
★墓地対策
メインの《漁る軟泥》でカバー出来る領域ですが、それでも《タルモゴイフ》や《瞬唱の魔導士》、ドレッジ・ヴァインなどを前に、追加の1枚が欲しくなることもあります。
優先度は低いですが、もし入れるのであれば、《安らかなる眠り》か《大祖始の遺産》です。
★プロテクション(白)を無視できる除去
ずばり《四肢切断》。ほぼ間違いなくライフ4点を支払ってのプレイになるのが辛いですが、《ファイレクシアの十字軍》1枚で終わることもあることを考えると、忍ばせておきたいです。
その他、Zoo対策にバーン対策と入れたいものは山とありますが、スペースがどうにも足りません。非常に悩ましいところです。サイドボードはまだまだ沢山の練り込む余地があるので、日々色々な形を試していきたいですね。
それでは今回はこれまでにしたいと思います。本当に初歩の初歩な内容で申し訳無いです。次にもっと深い内容を書けるように頑張っていきたいと思います。
ヘイトベアーの楽しいところは、愚直にビートを仕掛けるだけでなくて、しっかり相手に干渉する手段が用意されているので、多彩に動けるというところだと思っています。
これを読んで、ヘイトベアーを手に取って楽しんでくださる方が増えれば嬉しいです!
前のエントリーとテーマがやや被り気味ですが、ご容赦いただければ幸いです。
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モダンの日常的な風景といえば、どんなものがあるでしょうか。
フェッチランドからもたらされる色取り取りの土地、1マナや2マナで唱えられる恐るべき呪文(《稲妻》や《流刑への道》は本当に凄い)、十分に残ったライフを一瞬で奪い去っていくコンボ……他にも、皆さんが想像されるようにたくさんあると思います。
これらをただ、指を咥えて見ているだけなのは嫌だ、乗り越えたい。
そんな声に応えられるデッキのひとつと信じて、私が愛用しているのがこのデッキです。
緑白ヘイトベアー(あるいは緑白ブリンク)サンプル
クリーチャー:30
4:《貴族の教主/Noble Hierarch》
4:《レオニンの裁き人/Leonin Arbiter》
3:《漁る軟泥/Scavenging Ooze》
3:《ちらつき鬼火/Flickerwisp》
3:《エイヴンの思考検閲者/Aven Mindcensor》
2:《オレスコスの王、ブリマーズ/Brimaz, King of Oreskos》
3:《刃の接合者/Blade Splicer》
4:《修復の天使/Restoration Angel》
3:《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》
1:《静寂の守り手、リンヴァーラ/Linvala, Keeper of Silence》
呪文:8
4:《流刑への道/Path to Exile》
4:《霊気の薬瓶/AEther Vial》
土地:22
2:《平地/Plains》
1:《森/Forest》
2:《ガヴォニーの居住区/Gavony Township》
4:《寺院の庭/Temple Garden》
4:《地平線の梢/Horizon Canopy》
4:《幽霊街/Ghost Quarter》
4:《剃刀境の茂み/Razorverge Thicket》
1:《永岩城/Eiganjo Castle》
サイドボード:15
1:《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》
3:《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader》
2:《ガドック・ティーグ/Gaddock Teeg》
1:《四肢切断/Dismember》
2:《忍び寄る腐食/Creeping Corrosion》
2:《石のような静寂/Stony Silence》
2:《避難所の印/Mark of Asylum》
2:《窒息/Choke》
以前紹介した緑白ヘイトベアー(http://yamachong.diarynote.jp/201402172315507453/)とは、デッキ名こそ同じですが、中身がそこそこ変わっています。
まずは以下に、ヘイトベアーの得意とするところを述べます。
◆マナの否定
ヘイトベアーが得意とする戦略のひとつが、マナ否定です。
・《レオニンの裁き人》でフェッチランドからの土地サーチにマナを要求する
・《レオニンの裁き人》で《幽霊街》のデメリット無視
・《エイヴンの思考検閲者》でフェッチランドからの土地サーチの妨害
・《スレイベンの守護者、サリア》の能力
・《ちらつき鬼火》で相手土地をブリンク
《レオニンの裁き人》によりフェッチランドの起動に2マナ以上掛かるというのは、相手にとっては中々の重荷になり得ます。
2マナ用意出来ずにサーチ出来ない……というのがベストなパターンですが、サーチするために呪文を唱えるために使うはずだったマナを費やさせる、ということも出来るのが強烈です。
また、《流刑への道》をデメリットゼロの謎の最強除去にすることも可能です。
ヘイトベアーが3マナを使わずにターンを渡してきたら要注意。《エイヴンの思考検閲者》を構えている可能性があります。
「《流刑への道》でも構えているのかな?とりあえず、フェッチでも切っとくかねー」と普段そうしているように、その土地を墓地へ送ろうとしたその刹那、彼は瞬速でやってきます。
ライブラリーの上から4枚……そこにお目当てのカードを見つけられたら良いのですが。
《スレイベンの守護者、サリア》の嫌らしさは、既に皆様の知るところだと思います。こちらはクリーチャー主体のデッキなので、このカードを有効的に使用できます。
《ちらつき鬼火》でのマナ縛りは、私の浅い経験の上での話になりますが、知名度としては上記の2枚の畜生じみた働きに比べるとまだ知られていない印象があります。
鬼火のブリンク能力は、「次の終了ステップの開始時に、能力で対象に取ったパーマネントを、オーナーのコントロール下で戦場に戻す。」というものです。故に、自分の終了ステップ中に、何らかの方法で鬼火を戦場に出し、相手の土地を対象に取ることで、相手を次のメインステップ中1マナ欠いた状態に仕立て上げることが出来ます。
終了ステップに出す方法としては、
1.自分の終了ステップ中に《霊気の薬瓶》から《ちらつき鬼火》を出す。
2.自分の終了ステップ中に既に場に出ている《ちらつき鬼火》を《修復の天使》でブリンク
3.《ちらつき鬼火》を通常プレイ、既に場に出ている別の《ちらつき鬼火》をブリンク
4.《ちらつき鬼火》を通常プレイ、既に場に出ている《修復の天使》をブリンク。その後、場に帰ってきた天使で鬼火をブリンク
という4つが挙げられます。もちろん、土地だけでなく厄介な他のパーマネント相手にも応用出来るテクニックなので、常に狙えるかどうかを意識しながら動きたいところです。
相手のマナの伸びを阻害して、思い通りに事を運ばせない……これがヘイトベアーのひとつの戦い方です。
◆サーチの妨害
前項とかなり被る内容ですが……。
フェッチランド以外にも、「あなたのライブラリーからカードをX枚探し」という記述のあるカードが、モダンには数多あります。スケープシフトを筆頭とするサーチカードに勝ち手段を頼むデッキに対して、ヘイトベアーは無類の強さを誇ります。
キーとなるのは、やはり《レオニンの裁き人》と《エイヴンの思考検閲者》のコンビです。彼らを守りさえすれば悠々勝利出来る機会が、モダンでは沢山やって来ます。「ヘイトベアー最高や!」と思える瞬間のひとつです。
《深遠の覗き見》や《古きものの活性》など、「あなたのライブラリーの一番上からX枚のカードを見る」と記述されているカードに対しては干渉出来ないことにご注意を(探しているようにしか見えないけれども!)。
◆飛行ビート
今回のリストにおける、《萎れ葉のしもべ》などを採用していた頃のヘイトベアーとの最大の相違点は、優秀な飛行クリーチャーの有無にあります。
旧ヘイトベアーは、パワーこそ高いクリーチャーが揃っていましたが、相手に横に並ばれると攻撃が通し辛くなることがままありました。10/10になった《ロクソドンの強打者》が、相手のトークン軍団を前にニートと化した時には、モニターの前で泣きました。
しかし、そんな悲劇の時代ともおさらばです。《修復の天使》や《ちらつき鬼火》は、そのブリンク能力以上に、飛行という回避能力をもってヘイトベアーに革命をもたらしたと信じています。
瞬速持ちの飛行クリーチャーも多く採用できるので、プレインズウォーカー(特に-2能力を使用した《ヴェールのリリアナ》)を出された返しのターンでそれを対処しやすくなったことも、これまでには無かった強みです。
その他にも、《霊気の薬瓶》で3マナのクリーチャーを連打したりと、他のデッキではあまり味わえない楽しさが、ヘイトベアーにはあります。
一方で、以下のように弱点が少なくないのもヘイトベアーの特徴。それらと巧く付き合っていくことが、使いこなす最大の秘訣です……私はまだまだその域には達していません。
●火力や全体除去にかなり弱い
緑白のアグロなのだから、当たり前といえば当たり前なのですが……あまりに大きすぎるウィークポイントです。
《稲妻》はもちろんですが、タフネスが1の飛行クリーチャーを並べた時に襲い掛かる《電解》ほど恐ろしいものはありません。特にトリコロールを相手にする時は、出すクリーチャーについて吟味しないといけないでしょう。
《修復の天使》や(《霊気の薬瓶》からの)《ちらつき鬼火》で火力を巧く回避していくことも意識したいです。
最近増えて来ている黒緑系の《最後のトロール、スラーン》対策に、青白系コントロールが《神の怒り》を積み始めていることもかなりの向かい風となっています。一度すべて流されると、リカバリーが非常に困難です。
《地平線の梢》のドロー能力が、回復の若干の助けになるかもしれません。
●平時最大パワー3、最大タフネス4
《萎れ葉のしもべ》が恋しくなることがあります。
今回のリストで一番大きなクリーチャーでも、《修復の天使》などの3/4止まり。それより大きなクリーチャー相手に間誤付いてしまいがちなのも、ヘイトベアーの弱みです。
特に、ゲーム中盤(悪い時には序盤)の《タルモゴイフ》を数字で超えられずに負けてしまうことが少なくありません。航空戦力で対抗することになりますが、タルモを扱うデッキは大抵、黒と手を組んでおり……地上はタルモで止めて、空は除去で対処。こうされるともう、お手上げです。
一番の対策は、《流刑への道》ですね。《ちらつき鬼火》も、一時的ながらも除去として有用です。
また、相手の高く厚い壁を越えるために、『賛美』持ちの《貴族の教主》は大きな助けになります。+1/+1は小さい数字に見えますが、必ずや、あなたを窮地から救う場面が現れるでしょう。
じっと耐えながらの《ガヴォニーの居住区》起動は、あなたの頼りないクリーチャー群を頼れる凄いヤツらに変え、《タルモゴイフ》を蹴散らすはずです。諦めずにいきましょう。
●早いデッキに弱い
Zooや親和といった、速攻型のデッキに黒星を重ねてきています。
Zooは、素早くクリーチャーを展開しながらに《稲妻》や《流刑への道》を撃ち込んでくる、恐ろしい相手です。そしてまーた《タルモゴイフ》!難しいですね。
フェッチランドを多用するデッキであること、《聖遺の騎士》の能力を妨害し得ること、また《漁る軟泥》がタルモや騎士のサイズダウンに一役買うこと……このあたりに活路を見出していきたいです。
親和は……メインでは神に祈るところから始めましょう。2本目からが勝負です。
そんな弱点の数々を埋めるのは、やはりサイドボードです。万能色の白を扱えるのは、こういう時に幸運なことだと思えます。
ヘイトベアーで戦うにあたって、サイドボードで補いたいと考えるのは以下のものです。
・火力耐性
・青を含むコントロール対策
・黒緑系対策
・《殴打頭蓋》対策
・親和対策
・墓地対策
・プロテクション(白)を無視できる除去
★火力耐性
《稲妻》や《神々の憤怒》をケア出来るカードは、サイドイン率が高いです。しっかり用意したいところです。
主な候補は、《ブレンタンの炉の世話人》と《避難所の印》です。《流刑への道》で対処されないこと、使い切りでないことから、私は後者を好んで使用しています。ただ前者にも、《ゴブリンの先達》などを止められること、プレイヤーを対象とした火力も防げることに強みがあります。メタゲームによって使い分けるものなのだと思います。
私は使用したことがありませんが、《不屈の随員》も面白いかもしれません。《稲妻》対策としてはかなり重いですが、《神の怒り》も対処出来るのは素晴らしいですね。《霊気の薬瓶》から出せるのが、カウンター呪文っぽくてなおグッド。
★青を含むコントロール対策
これは候補を絞りきるのが難しいですが。
私を含めて、ヘイトベアー使用者の多くが採用しているのが《窒息》です。これを貼り、島タイプを持たない《天界の列柱》などを《幽霊街》で処理していけば、勝利は近いです!
《ガドック・ティーグ》もいい仕事をすることがあります。
《謎めいた命令》や《神の怒り》、よくサイドインされる《殴打頭蓋》を唱えられなく出来るのは魅力です。いかに除去から守るかに懸かっていますが……。
ちなみに、ガドックは只でさえメインからメタりまくっているスケープシフトやトロンにも滅茶苦茶に刺さるカードでもあります。大会以外では、やり過ぎ注意です……。
★黒緑系対策
パッと思いつくのが、《ミラディンの十字軍》です。
黒緑ジャンク相手ならば、《ヴェールのリリアナ》の-2能力にさえ気を付ければ、あとは賛美を受けた十字軍が速やかにゲームを終わらせてくれるはずです。ジャンドとなると、《稲妻》がちょっと怖いですね。入れることに変わりは無いのですけれど。
★《殴打頭蓋》対策
ヘイトベアーを使い始めてから、幾度と無く苦汁を味わわされているカードなので、何かしら対策を入れるようにしています。
このデッキに入れやすいカードとしては、《クァーサルの群れ魔道士》ですね。《殴打頭蓋》は手札に戻る能力も備えているので、巧く不意を突いて割る必要があります。《霊気の薬瓶》がその助けになるかもしれません。賛美持ちの2/2であることも評価を底上げしています。
前述の《ガドック・ティーグ》も対策カードと言えますが、出てしまった後だと対処出来ないのがやはり難点です。
《ちらつき鬼火》で細菌トークンを消すことが出来るのも忘れずにおきたいです。
★親和対策
白でよかった!《石のような静寂》が使える!!
《戦争の報い、禍汰奇》もかなりマッチしています。
緑陣営も負けておらず、《忍び寄る腐食》や《引き裂く突風》といった全体除去を積むことが出来ます。さあ、1本目のお返しをしに行きましょう!
★墓地対策
メインの《漁る軟泥》でカバー出来る領域ですが、それでも《タルモゴイフ》や《瞬唱の魔導士》、ドレッジ・ヴァインなどを前に、追加の1枚が欲しくなることもあります。
優先度は低いですが、もし入れるのであれば、《安らかなる眠り》か《大祖始の遺産》です。
★プロテクション(白)を無視できる除去
ずばり《四肢切断》。ほぼ間違いなくライフ4点を支払ってのプレイになるのが辛いですが、《ファイレクシアの十字軍》1枚で終わることもあることを考えると、忍ばせておきたいです。
その他、Zoo対策にバーン対策と入れたいものは山とありますが、スペースがどうにも足りません。非常に悩ましいところです。サイドボードはまだまだ沢山の練り込む余地があるので、日々色々な形を試していきたいですね。
それでは今回はこれまでにしたいと思います。本当に初歩の初歩な内容で申し訳無いです。次にもっと深い内容を書けるように頑張っていきたいと思います。
ヘイトベアーの楽しいところは、愚直にビートを仕掛けるだけでなくて、しっかり相手に干渉する手段が用意されているので、多彩に動けるというところだと思っています。
これを読んで、ヘイトベアーを手に取って楽しんでくださる方が増えれば嬉しいです!
コメント
リンクさせていただきましたので、宜しくお願いしますー。
昨日はありがとうございました、楽しかったです!
リンクもありがとうございます。こちらこそ、よろしくお願いします!
こちらからもリンク貼りましたの今後ともよろしくお願いします。
こちらこそありがとうございます!
更新頻度は低いですが、何かネタがあればしっかり出力していくつもりですので、よろしくお願いします。